パッシブハウスについて
パッシブハウス=世界最高峰の高性能住宅
世界基準の快適性を求めて「パッシブハウスを建てたい」という人が増えています。
パッシブハウスとは、環境先進国ドイツで物理学者ファイスト博士が導き出した、家の省エネ基準です。
それは「気候変動を止めるため、これからは家の燃料はこれくらいに抑えないといけない。そのために必要なエネルギー効率を導き出し暖房エネルギーを1/10にする」というとても厳しいもの。その基準を満たすには自然の力を使い、さらに建物自体の性能を徹底的に高める必要があります。博士が設立した研究所は、それらのノウハウをオープンにし、今ではヨーロッパを飛び出し各地の気候風土にあわせて進化しながら、世界中で普及しはじめています。
パッシブハウスは、断熱材や高性能な窓、換気システムを導入して、極限まで熱を逃がさないよう工夫をします。合わせて冬の日射を上手く取り入れ、夏の日射もきちんと遮蔽。 その結果、冬も薄着で過ごせ 夏もさらさらで快適に過ごせます。
つまり冷暖房をあまり使わなくても、夏は涼しく冬も暖かく、結露も出なくなります。
家作りにかかるコストは少し高いですが、灯油代や電気代はこれからどんどん上がり、結露によるカビや健康リスクなど見えないコストも増えてきています。
月々の光熱費、リフォームや健康のことを考えると、パッシブハウスを選ぶことは、かなり賢いお金の使い方なのです。
パッシブハウス・プロジェクトを成功させるための特別な工法や建材認定はありません。
自由に設計できるため、この建築メソッドを具体的にどう設計に落とし込むかは建築士の裁量によるところが大きく、住んでいる地域で専門の建築士や工務店を見つけられるかどうかがカギになります。
また、条件のいい土地選びも重要になってきます。
博士が設立した研究所ではパッシブハウスのスペシャリストに国際資格を出していますので、認定コンサルタントに相談するのが成功の近道です。
当社にはパッシブハウスコンサルタントが在籍しています。
ドイツ・パッシブハウス研究所認定
パッシブハウス コンサルタント
営業課長 福本 邦重
パッシブハウスの優位性
UA値をご存じでしょうか?
それは暖房期に建物から逃げる熱量を数値化したものです。 建物の断熱性能を表す尺度として近年普及してきました。
便利な指標ですが、多くの実務者が計算出来ることを前提としているため、入力項目が非常に簡素化されており、暮らしの快適性が評価できないという問題点があります。
一般的な高気密・高断熱住宅とパッシブハウスの決定的な違いは、地域と季節に応じた日射コントロールの評価にあります。
UA値の計算プログラムは冬に建物から逃げる熱しか計算することが出来ません。そのため、好天の温かい日差しでポカポカする室内環境や夏の厳しい日射が評価できず、本当の快適性が分からないのです。また建物の立地や方位、周囲の建物も無視して計算しますので計算結果と実測値が大きく乖離してしまいます。
窓から差し込む日射のエネルギーを詳細に把握することで初めて、今の時代に求められている徹底的な省エネ性と快適性を担保できると言えるでしょう。
パッシブハウスでは冬の日射はもちろん、周囲の建物や樹木、カーテンやシェードまで厳密に計算、評価しますので実際の快適性との乖離が非常に少ないのが特徴です。
その他にもUA 値では換気で失われる熱や気密性能が評価されなかったり、熱橋と呼ばれる熱の逃げ道なども無視して計算されます。その結果、数値は良いのに不快な部分が多いということが 起こってしまうのです。
日本の建物エネルギー評価は世界から20年程度遅れていると言われています。
UA 値では高性能住宅に必要な5つの要素「断熱・気密・熱橋・窓・換気」のうち3要素が評価されていないので、本当の快適性は分かりません。
世界基準の評価方法で快適と安心を担保し、資産価値の高い建物をつくりませんか?
当社ではパッシブハウスのノウハウで岡山の気候風土を存分に利用したエコハウスを建てることができます。
環境を考えた住まいのあり方がなぜ重要か
地球環境への配慮は現在、何事においても最重要テーマとなっており、住まいづくりや暮らしの分野でも避けては通れなくなりました。特に地球の温暖化は我々の予想よりもはるかに速く、且つ激しく進行しています。
例えばボリビアのチャカルタヤ氷河は、予想より6年も早く溶け切ってしまいました。
そのためにボリビアは、農業用水や工業用水で大変苦労しています。北極の夏の海氷は過去30年の間に75%が消え、ホッキョクグマの生きていくための場所がなくなりつつあります。 2100年までにはホッキョクグマがほぼ絶滅すると予想した論文も発表されています。(注1)
自然災害なども増えています。
地震、津波、洪水、干ばつなどは飢餓の原因になります。農作物や田畑が被害を受け、家や仕事などの生活基盤も失われるからです。経済的にも物理的にも食糧を手に入れることができなくなり、人々の栄養状態が悪化してしまうのです。
世界中で食糧不足に苦しむ8割以上の人々は 、自然災害が発生しやすい場所で生活していることが分かっています(注2)。 このまま推移すると、将来は世界的な水不足や食糧不足、大量の難民の発生が起こり、武力衝突が起こることも予想されています。
このように世界各地で著しい温暖化の影響を受けているのです。
気候変動によって地球上で4億人が難民化するという試算が、近年の国連のIPCCレポートでも報告されています。
この問題は、もはや取り返しのつかないステージへと突入し、私達の努力が果たして報われるのかどうか、残念ながら判らなくなってきています。
それでも私達には他の選択肢などありません。私たちの情報発信や活動がもたらす変化を信じ、日々努力しています。
(注1)英国の科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載
(注2)WPF:災害が飢餓に与える影響