浦田の家
ご実家の母屋隣に計画した、ご夫婦とお子様4人家族の住まい。当初は母屋南側へ建てる案もあったが、陽当たりを考慮し、母家と東西に並べて建てる計画となった。これにより、母家も新居も、自然光をたっぷり取り込める明るい住まいとすることができると同時に、日射熱取得によって冬場の暖房エネルギーを大幅に削減することが可能となった。日射熱取得は、日本の省エネ基準では計算されないが、それらを加味するパッシブハウスのプログラムにより、配置による冷暖房エネルギーの違いを可視化できる事がクラモクホームズの強みである。
LDK・水回り・主寝室は一階に配置。将来を見据えて基本的に平屋で暮らせる形にした。二階は子供部屋のみなので、大屋根形式の小屋裏スペースを活用できる。大屋根形式の利点は、コスパ・小屋裏スペースの換気設備点検メンテナンスの容易さ・勾配天井によるハーフ吹抜けデザイン等がある。今回もこうした利点を存分に活かしてある。特に、リビングとオープン階段部分を勾配天井でハーフ吹抜けとし、二階の子供部屋と繋ぐことで開放的な空間としている。こうしたレイアウトは、家中を冷暖房するパッシブハウスにとっては部屋による温度ムラを軽減するのにもさらに有効である。
動線・収納・デザイン等、こだわりは多岐にわたるが、一番は何と言ってもキッチンである。ステンレス天板・タモ突板建具・そしてモールテックスであつらえた造作キッチン。シンクをリビング対面にコンロを背面にしたⅡ型配置で、収納家具とテーブルまで一体でデザイン。モールテックスは防水性が高く、強靭な強度をもつデザインコンクリートで、シームレスにコテ塗りで仕上げを。色ムラが印象的な表情をつくる、注目の仕上げ材である。
ハウジングデータ
- 所在地
- 岡山県倉敷市
- 竣工
- 2025年
- 延べ床面積
- 26.50坪
- 年間暖房需要
- 22kWh/㎡
- 年間冷房需要
- 24kWh/㎡